いい加減でもええ加減

英会話のレッスンをしていると、生徒さんから
How do you say .... in English?と聞かれることも多い。
パッと教えてあげられることもあれば、それは私も知らんなぁということもあります。
そんな私、辞書みたいに何でも知ってるわけちゃうし・・・。


でも、英会話指導という観点からすると
そうやっていつも「教えてあげる」のが必ずしもいいことではないなとも思います。
自分で考えなくなってしまうし、会話が途絶える。


レッスンの目的が何であるのかっていうのもありますが、
スピーキングの力を上げるためには、とっさの場面で単語や表現が出てこない時、
先生に聞く、辞書を引く、というように日本語→英語に訳すというのではなく
なんとか英語でその場を切り抜けるという練習も必要かと思う。
実際、外国人と話をする時に、辞書を引きながら話せるわけではないし
How do you say ...in English?と聞くわけにもいかないし。


私が学生時代、英会話力をアップさせていくためにしたことも
いかにその場を何とか切り抜けるかということでした。
とにかく知っている単語で表現する
難しい単語や構文を使おうとしない。
会話初心者のうちはどうしてもまず日本語が頭に浮かび
それを英語に翻訳して話すということになってしまいがちなのですが
そうすると最初に浮かんだ日本語の表現に捕らわれてしまって
対応する英語表現が出てこないということが多い。
で、日本語で思い浮かぶ単語は時に難しい単語であったりもするわけで、
そしてその日本語と同じくらい難度の高い英語を話そうとすると
けっきょく英語が出てこない・・・ということに。


自分の使う英語のレベルを落とすことも必要なのと
思い切った発想の転換が必要な気がします。
要は言いたいことの概念がだいたい相手に伝わればいいわけだから
小難しい詳細ははしょって核となるメッセージだけ伝えればいいんじゃないかと。
正解はひとつではないし、色んな言い方や表現の仕方があるし。
例えばexcetiveという単語が出てこなければ
取り合えずvery important personとか言っとけばいいわけで。
それでだいたい言わんとしてることは伝わる。
そういう言い換えをするようになって私はスピーキングがだいぶ出来るようになりました。


前に紹介したこちらの本で言ってることと同じようなことをしたわけです。

ずるいえいごずるいえいご
(2014/07/26)
青木 ゆか、ほしの ゆみ 他

商品詳細を見る



いまだに私はこういうずるい英語を使ってます。
そもそも日本語と英語は全く違う言語なわけで、
ある程度は言いたい事を捨てることも必要だと思います。


生徒さんで初レッスンの方なんかに時々
「よろしくお願いします」は英語で何と言うのですか?
と聞かれたりしますが、そんな英語はない気がします。
Nice to meet you. とか I'm excited to be here today.とか言うしかない。


そうやって日本語という言語の枠を取り払っていくことで、
少しずつ英語が話せるようになっていくんじゃないでしょうか。


去年、翻訳のコースを受講していた時も、
日英翻訳の時にやっぱりそれに近いことをしました。
翻訳はスピーキングと違って辞書引きながらできるので
より精度は上げていかないといけないのですが
それでも日本語からの発想の転換というのはすごく大事だなと思いました。
日本語という言語の枠を壊していかないと英訳は出来ない。


ビジネスレターの翻訳課題なんかもありましたが、日本語のレターだと
「拝啓、早春の候、時下ますますご清祥の・・・」とかで始まってたりしますが
英語ではその一文はもうずばっと切り捨ててしまう。
最後の「お返事をお待ちしております」というのは
I look forward to hearing from you.
「待ってます」と言わずに「楽しみにしてます」とするのが英語流。


要は、スピーキングでもライティングでも、
日本語という言語の枠組みから飛び出して
英語という言語の枠組みでメッセージを伝えていくこと
が大切なんじゃないだろうか。
正解の文章というのがあるわけではないから、
自分なりの言葉で伝えていけばいい。
そこから少しずつ表現や文法など磨いていけばいいのではないだろうか。


バイリンガルになるということは、
日本語と英語という全く異なる二つの言語の世界に住むということ。
これはなかなかに楽しいことだという気がします。
日英翻訳をしている時に、難しくもあり、時々辛くもありましたが、
日本語の世界と英語の世界を行き来するのが楽しくもありました。
日本語の文章をいったん破壊して英語の文章を構築していく感じ。
最終的に仕上がった英語の文章を読んで
元の日本語が思い出せないようであれば
まぁまぁいい翻訳が出来てるんじゃないかなぁとか。
ああ、なんか久しぶりに英訳したくなってきたなぁ♪


日本人が英語をマスターしようと思えば(つまり自然な英語を身につけようと思えば)
日本語のルールで英語を理解しようとしないこと
日本語の感覚で英語を捉えようとしないことが大切だと思います。
直訳英語から脱出していく。
すぐには無理ですが、時間をかけて少しずつ脱出していけばいい。


外国語を習得するということは、
単にコミュニケーションのツールが増えるだけではないと私は思います。
一般的には「世界中の人とコミュニケーション取れるように」とか
「グローバルに活躍していけるように」という目的だと思うのですが
私はそれプラス、日本語という言葉の枠組みを出ることで
新しい自分を創造していけるというのもあるんじゃないかとも思います。


私は英語を話せるようになって、自分と言う人間が変わった気がします。
場合によっては英語を話している時の方が自由に感じることもあります。
もし英語をやってなかったら、もっと違う性格になってたんじゃないかな。


知識として英語を知ってることよりも、
英語を使えるということの方が私にとっては重要で
その楽しさを知っているから
こうしていまだに英語を学び、英語を教えることを続けているんだろうと思います。


日本語の思考から脱却するという点で、
先日本屋さんでこんな本を見つけてなかなか興味深かったです。


添削! 日本人英語 ―世界で通用する英文スタイルへ添削! 日本人英語 ―世界で通用する英文スタイルへ
(2015/01/28)
谷本真由美 @May_Roma、ポール・ロブソン Paul Robson 他

商品詳細を見る



最初、よくある「ネイティブならこう言う」みたいな本なのかなと思いながら
何気なく手にとってみたんですが、なかなか本質的なことをついている。
英語で文章を書こうと思ったとき、
とりあえず辞書で調べて文章を書いてみるということになると思うのですが
ただ単語を調べて並べただけでは伝わる英語にならない。
日本語の思考から脱却することが必要。
それはライティングだけじゃなく、スピーキングでもそう。
何か難しそうなことを言ってる(書いてる)ように聞こえる(見える)けど
何を言いたいのかがよくわからない・・・ということのないように。


ちなみに今、テクニカルライティングの本を読んでいます。
文章のタイプは違いますが、これも書き方の本質的なことが学べます。


英文テクニカルライティング70の鉄則 (わかりやすく、読み手に正しく伝わる英語はこう書く)英文テクニカルライティング70の鉄則 (わかりやすく、読み手に正しく伝わる英語はこう書く)
(2011/01/13)
中村哲三

商品詳細を見る



特に技術文はちゃんと相手に伝わることが大切。
誤解のないように書くための技術文ならではのルールがある。
文章として正しいかどうかということだけでなく
読みやすい文章、伝わりやすい文章を書くことが
ビジネスの世界では大事ですね。
私ももうちょっと勉強しなくちゃいけないな~。



関連記事

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する